自分探しの旅

『あいつは確かにこっちを見ていた。』

 サングラスでしかも窓ガラスにうつる姿でしかわからなかったが、京介にはなぜかそう思えてならなかった。京介の妄想はなおも膨らんでいった。

『もしかするとあのサングラスの男は、黒衣の行者の生まれ変わりなのか?だとしたらなぜ・・・』

 そう思った時である。京介は、自分の後ろからついてくる足音が気になりだした。その足音はずっと自分の後ろから、当間隔を置いてついてくる。

(コツ、コツ、コツ・・・)

 姿を見たわけではないが、アスファルトに響く大きく重い足取りは、黒い革靴を履いた筋骨隆々とした体格のいい大男に思えてきた。人の流れにいたときは気づかなかった。それが駅を離れるにつれ、一人二人と減り、今では京介とその男だけになっている。

(コツ、コツ、コツ・・・)

『まさか・・・』

 想像が想像を生んだ。