「まず、室町時代に生きていた円心が『未来の自分』即ち、あの晩の僕の体験を見てしまう。そしてこの世に生まれ変わった僕の心の奥深いところに、その記憶が残っている。それがあの晩テレビを見ながら蘇ってくる、というわけです。だから、そもそも僕は同じ体験を二度したのじゃなくて一度の体験を過去と現在の二度したという事じゃないですか。」
龍仁は京介の話を聞きながら、コーヒーのショート缶を一口一口含み、舌で転がすように飲んでいた。
「うん。それだと半分は当たっているが、半分がはずれているな。確かに京介がした体験が、二度ではなく一度きりだった点はその通りだ。ただ・・・」
龍仁は缶を逆さまに向け、最後の一滴まで飲みほしている。
「ただ?」
龍仁は京介の話を聞きながら、コーヒーのショート缶を一口一口含み、舌で転がすように飲んでいた。
「うん。それだと半分は当たっているが、半分がはずれているな。確かに京介がした体験が、二度ではなく一度きりだった点はその通りだ。ただ・・・」
龍仁は缶を逆さまに向け、最後の一滴まで飲みほしている。
「ただ?」

