「これでどうですかな、宗純どの。」

 そう言って、隣で見ていた宗純の顔を何気なく見た。

「・・・」

 宗純は瞳孔が開いたように目を丸くし、微動だにしない。視線は書の方を向いていて、定まっていない。

「どうした、宗純。」

「あっ。」

 宗純は円心の言葉にようやく我に返った。「円心様。私には見えました。見えるのです、この歌の光景が。」

「うむ。うむ。」