宗純はそうした智海寺での生活にすぐさまとけ込んだ。円心の生きざまは宗純にとって、故謙翁和尚に通じるものがあった。宗純は円心の中にかつての師の姿を見る思いだった。そして、次第に生気を取り戻していった。もともとは明るい闊達な青年である。
「円心様。せめて雨もりくらい直してもバチは当たりますまい。」
そう言って、どこから借りてきたのか大工道具をかついで、これまた村人から借りてきた梯子で屋根に登った。宗純は、自分の身の周りにまるで頓着しない円心を気遣った。
「円心様。せめて雨もりくらい直してもバチは当たりますまい。」
そう言って、どこから借りてきたのか大工道具をかついで、これまた村人から借りてきた梯子で屋根に登った。宗純は、自分の身の周りにまるで頓着しない円心を気遣った。

