「どんな人が出てくるか楽しみだね。」
龍仁は笑いながら、自分も傍観者の一人のようにそう言った。いいながらも手は動いていく。それは描くというよりも何かに動かされているという感じだった。全く無駄のない手の動きでいながら、龍仁の視線は時折見ている二人の方へ向いたりしている。京介は、小学校の時放課後の教室で友達としたこっくりさんを思いだした。あのときも鳥居のマークにおかれた十円玉を友達と二人で指を立て、何かを唱えると勝手に動き出したものだった。あの時の手の動きと似ている。
「この人が京介の守護霊だよ。何代か前のご先祖だと思うが。」
龍仁は顔の部分まで描き終わったときそう言ったが、京介には、それが誰なのかさっぱりわからなかった。どこか旧百円札の板垣退助のようにも見える。
「幕末の時代に百姓をやってたようだ。厳格な人だ。」
どうやら龍仁には、人物の生前の様子までわかるらしい。
龍仁は笑いながら、自分も傍観者の一人のようにそう言った。いいながらも手は動いていく。それは描くというよりも何かに動かされているという感じだった。全く無駄のない手の動きでいながら、龍仁の視線は時折見ている二人の方へ向いたりしている。京介は、小学校の時放課後の教室で友達としたこっくりさんを思いだした。あのときも鳥居のマークにおかれた十円玉を友達と二人で指を立て、何かを唱えると勝手に動き出したものだった。あの時の手の動きと似ている。
「この人が京介の守護霊だよ。何代か前のご先祖だと思うが。」
龍仁は顔の部分まで描き終わったときそう言ったが、京介には、それが誰なのかさっぱりわからなかった。どこか旧百円札の板垣退助のようにも見える。
「幕末の時代に百姓をやってたようだ。厳格な人だ。」
どうやら龍仁には、人物の生前の様子までわかるらしい。

