「んーサラぁ?」


「えぇ。そうですよお嬢様。」

「そっかぁ。じゃあ、お休み〜」


私は、剥がされた蒲団を被り直す。


「何がお休みですか!起きる時間は、とっくに過ぎているんですよ」


「だって〜良い夢見てたんだもん。二度寝して続き見たい!」


「知りませんよ。それより早く起きてください。今日は、大事な予定があるんでしょう?」


「そうだった!」

被り直した蒲団を今度は自分で剥いだ。



今日は、祖父のラテアーテ伯爵主催の食事会がある。
食事会と言ってもごく少数だが、その面子が凄まじい。



何とハイランダーの青バラ部隊なのだ。



青バラ部隊とは、エリート集団のハイランダーの中でも限られた天才たちが所属する少数精鋭部隊。



国の重臣であるお祖父様は、10年前からハイランドの開拓に力を入れている。

お祖父様が、老体に鞭を打ち必死で励んだ開拓計画が今年やっと日の目を浴びた。


開拓地に街を作ることに成功したのだ。



身内の贔屓無しに、これは世紀の大業績だ。

─教科書に、お祖父様の名前が載るくらいに


それもそのはず、今までに荒れ果てたハイランドにシールドに覆われていない街を作るなんて誰も考えもしなかったし、出来るとも思われていなかった。



その不可能を可能にしたのがハイランダー(ハイランド開拓者)でその参謀本部が青バラ部隊だ。


その功績が認められて明日彼らは、国王陛下に謁見するらしい。

そのために今日我伯爵家に滞在する。



青バラ部隊は、人事、研究、作戦・・ハイランドの全てを担っている。



ハイランドのことは、国家機密になってあるから中々情報が伝わって来ないが彼らは、全てを把握しているというから、知っているはずだ。




─きっと、あの子のことも・・




だから・・




「お嬢様、本気でするんですか?





色仕掛け大作戦