1-1の教室の前に着き、私は廊下で待つことに…。

廊下から、静かな教室に響く終夜の優しい声が、

私の心を揺らしている。





「で、今日は俺と同じに、転校してきた生徒がいます。入って」




終夜の声が聞こえて、私はドアを開ける。



"ガラッ…"



教室にいる生徒全員の視線が、

私に集まる。

でも、こういうのも慣れっこだった。



終夜が、私の名前を黒板に書く。

書き終えると、教卓の角に手を置く終夜。



「親の都合で、北海道から引っ越してきた相川 雫さんです」

「よろしくおねがいします」

「皆、仲良くしてあげてください」




女子は、私より終夜に視線を送っている。

さすが、ファンクラブまで出来る人気者。

だけど、それがどうしても心に傷を作っていく。