出会いは、最悪だった。

私は、色々な都合で北海道から、東京へ引っ越してきた。

高校の2学期が始まる寸前の転校に、少し焦りを感じていた。

こんな中途半端な時期に、引っ越しだなんて…。




「…はぁ」




重たいため息を零す。




「雫、もうそろそろ学校だ。しゃんとしろよ」

「はぁい…」




終夜(シュウヤ)からの言葉に、

適当に返事を返す。

家から車に乗って、

学校に向かっている私。




初めて見る景色に、

どこに視点を集中させていいかわからなかった。