・・‥‥……―――――― ・‥‥……―――― 「これなんだけど……。」 隣に座る元谷さんが広げたのは 数学の教科書。 「あー…、これは……………」 ………駄目だ。 頭が働かない。 『雪乃』 久しぶりに聞いたその名前。 気付いた時にはもう 閉じ込めていたはずの気持ちは 溢れ出していた。 「矢野滝くん…?」 「え?あ、ごめんね?」 覗き込むように目の前に現れた 元谷さんに驚きつつ ボーッとしてしまっていたことに謝る。 「何かあったの?」 「なんで?何もないよ?」 _