「陽詩っ!!」



唇があたった頬を押さえる私を
悪びれる様子もなくあははと笑う陽詩に
もぉ…とため息をつく。



「最後。」



それは陽詩じゃないみたいに小さな声。



「え?ごめん、よく聞こえなかった。」



「最後くらい……許してよ。」



陽詩じゃないみたいに力のないその声は



「ね?」



陽詩じゃないみたいな笑顔でそう言った。



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