背中に回された幸の両腕。 「陽詩だけずるい……。」 吐息と一緒に耳をかすめるその言葉に いつ飛び出してもおかしくないくらいに ドキンドキンと心臓が動き始める。 「俺だってさぁ、 頑張ってると思わない?」 「幸……?」 私の声は聞こえていないみたいで… 「まだまだ…足りない?」 背中にあった幸の腕のうち 片方が腰まで降りてきたかと思うと 更に私を引き寄せた。 「ほんと、嫌んなる……。」 そんな言葉が聞こえ、 腕による締め付けがなくなったのと同時に 幸の体重が私の方にかかって…… _