ドアを開けて荷物を置いて
靴を脱ぎながら一言。



「ただいま。」



リビングのドアが開いたと思えば
ドタドタと騒がしい足音をさせながら
玄関まで走ってきたのは華永(はな)。



「幸にぃ、おっかえりーっ!」



華永は小学4年生。


俺の妹。



「なになに?
お出迎えしてくれるなんて珍しいね。」



「ねぇっ!ちょっと部屋に行ってて!?」



「え?なんで?」



「いいから、いいからっ♪」



不思議に思っていると
早く早くと階段まで背中を押された。



「ハナが呼ぶまで待ってて!
絶対リビングに入って来ちゃだめ!
分かった?」



「うん…?…分かった。」



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