「ごめんな…。。俺が終わらせてしまって。」


私は首を振った。


「……。」


ひとまわり大きくなった彼のその手を、私は両手で包み込んだ。


彼の瞳。そして心。

すべて、もう二度と。
逢うことはない。




ぎゅううっ、と手を握られた。痛いくらい。


その痛みは、彼が先に旅立つ寂しい悲しい、痛みなんだろう。


「……さよなら…。」

手を話した。


私はなるべく、普通に。

「じゃあね…。」

と言いくるりと背を向けた。

「……。」

コータが私の背中を見送っている。