「まぁ、たしなむ程度なら特に問題ないだろ」



「なんか…魔法ってお酒やタバコみたい…」



「まぁな…似たようなもんだ」



魔法談議を交わしながら、焚火の周りに座り夕飯である焼き魚をむしゃむしゃと頬張り始める二人。


先程採って来たばかりのまだ新鮮な魚体からは一口噛み付く毎に濃厚な脂がポタポタと滴り落ちる。



「うお〜っ、うめえ〜っ」


「ホント〜っ、超ンマ〜っ」


串に刺された魚のふっくら肉付きの良い横っ腹に
二人は無我夢中でガツガツと食らいつく。



ガツガツっ…


むしゃむしゃっ…


ガツむしゃ…


……



「…ふぅ〜、食った食った、おれぁ腹一杯だ。


しかし、こんな美味い魚をたらふく食えるのも全てお前のおかげだわ。


アン魔よ、お前この一年で本当に成長したな」



「エヘヘ、やっぱ思いますぅ?

あたしもとうとう師匠に褒められるとこまで来たんですねぇ。

例えお世辞だとしても嬉しいですよ」



「バカ、お世辞なんかじゃねえよ、

お前は本当に成長したよ。
なんせ最初の頃なんかは
魚の目玉見るだけでもびびってた位なんだからな」



「あの頃はあたしも未熟でしたよねぇ。


今にして思えば我ながらダメな弟子だったと思いますよ、

師匠にひもじい思いばっかりさせて…


師匠、あの頃はホントにご迷惑おかけしまして…」



「フッ、下らねえ事気にしてんじゃねえよ。もう昔の話しだ。

今のお前は立派な一人前だよ。

一日平均19・3匹もの魚を採って来れる奴なんて世界中探したってそうはいねえって」



「う〜ん、そうですかねぇ?

自分じゃあんまわかんないケド…実はあたしって結構スゴかったりするんですかねぇ?」



「あぁ、お前の魚採りのセンスはもはや天才的だよ。
お前なら漁師にだってなれる。

いや、お前の腕は既にベテラン漁師並だよ」




「師匠…あたし漁師じゃなくって一人前の魔女になりたいんですケド…」




「あぁ、…そうだったか」



………