「事務所をこっちに移しましょーか?」

ナツが楽しそうに言う。

「そうだな」

「アホかおまえら。
 テンメイはどうすんだよ!」

ナツはワザとらしく、軽く握った指をアゴにあてて考えるポーズをとる。

「そーですね、週2日くらいにしときます」

ヨースケはナツの仕草が可愛くて、笑いを抑えながら言う。

「またマダムに謝らなくちゃ」

「ミキさんこそレイヤさんに会えなくなっちゃぃますョ!」

「あんなヲタはもういいよ」

ミキは笑ったが、ヨースケの目には、その表情が少し寂しげに映った。