「ミキ、深追いするな!
 あとは、プロに任しとけ!」

ヨースケは、倒れている船員を取り押さえながら、ミキに叫んだが、低い叫び声とともに、残りの船員も倒れていた。



「大丈夫ですか?」

海保の職員が船から降りてきて、目を丸くして、ほとんど1人で船員を片づけたミキを見た。

「おーい、こっち、こっち!」

やっと闘いの緊張感から解放されたヨースケとミキの耳に、やけに爽やかな声が響いた。

見ると、どこから見つけてきたのか、ステンレス像をひきずって、船上でレイヤが手を振ってる。

いつのまにか、猫耳堂の店長が車を戻してきて護岸に止めていた。

「スゴぃです、ミキさん、モンハンみたぃでしたョ!」

ナツが車から降りて駆けよって来る。

「ゲームかよ……」

ミキはやっとほっとした顔を見せた。