「とりあえず陸から追うしかないか」

ヨースケはそう言うと、運河ぞいに車を走らせる。

船を見るとレイヤが、狂ったようになにか叫んで、その辺りにあった棒を振り回してる。

中国人は最初は応戦してたが、呆れたように、スクラップの山を介して何か叫んでる。

そのうち、見かねたように、舟足がゆるみ、船内から年配の男が出てきてどなり始めた。

「ヨースケさん、ヤバくなぃです?」

船につれて車を止めたヨースケにナツが後部座席から乗り出して言う。

「海保に通報するか?」

「その必要はなさそうだぜ……」