「あいつら無茶しないといいけど」
「ァタシもそれがシンパイで……
それにしても、《まりたん》、盗んでどーすンでしょーか?」
「溶かして売るんだろ。
ヘンリームーアの作品だって、盗賊団にとって単なる金属のカタマリだしな」
「このオハナシは金属が高騰してた頃のォハナシなんですョ!」
「ナッちゃん、誰と話してるんだ?」
すると突然、エンジン音が聞こえて、2人乗りのバイクが脇道から飛び出してきた。
その向うの川にはスクラップを積み込んだ船が見える。
「ヨースケ!」
ライダーが船を指さして、ァタシたちをかすめて行った。


