オタメン彼の冒険とツンデレ彼女の家出~アキバ特捜部!?Episode5~


「あいつら無茶しないといいけど」

「ァタシもそれがシンパイで……
 それにしても、《まりたん》、盗んでどーすンでしょーか?」

「溶かして売るんだろ。
 ヘンリームーアの作品だって、盗賊団にとって単なる金属のカタマリだしな」

「このオハナシは金属が高騰してた頃のォハナシなんですョ!」

「ナッちゃん、誰と話してるんだ?」

すると突然、エンジン音が聞こえて、2人乗りのバイクが脇道から飛び出してきた。

その向うの川にはスクラップを積み込んだ船が見える。

「ヨースケ!」

ライダーが船を指さして、ァタシたちをかすめて行った。