「田子の浦……」 「あっ、百人一首に出てきますよね、富士の高嶺に……」 ナツは指を立てて言った。 「ナッちゃん、よく知ってるなぁ」 ヨースケが顔をほころばせる。 「昔お正月にやってました」 ナツはちょっと得意そうにする。 「へぇ、でその続きは?」 ミキがつっこむ。 「ぇと……れれ?」