「???」

ナツがミキを《ジッ》と見てる。

ミキはそれに気づいて、現実に戻った。

レイヤに出会ったあの時、家と学校の狭い世界のことしか見ていなかったことに気づいたとミキは思っていた。

――あン時、男女のこととか、盗聴とか、結構重いことを
  なんて爽やかに笑い飛ばすんだろ、とか思ったけど……

ミキには、レイヤが、あんな同人キャラの像を必死に追ってるのが、理解できなかった。

――それに……

ミキは、自分の手を見た。

――ひょっとしたら、あれ以来、レイヤは手を繋いでもくれてない

もちろん、女のコだって分かってからも。


エコノミークラスの車は、結構振動してる。

ミキがメーターをみると、140を越えてる。