イヤフォンをしてみると、無線機から男と女の囁きが聞こえてくる。 「これって、まさか?」 「バカなヤツがいるのか、何個か電波出てンだよね」 イヤフォンから聞こえる声は、やがてアエギ声に変わってきてる。 ミキは嫌悪感と、カラダのどこかが気持ち悪く疼く感じがした。 それでもきき耳をたててる自分に気づいて、イヤフォンを外した。 「アホみてぇだろ」 レイヤは声をたてて、爽やかに笑った。 ――コイツは…… レイヤの笑顔を見て、ミキは何か吹っ切れた気がした。