――シブヤ?ハラジュク??
そんな地名が浮かんだが、いかにも女の子の家出っぽくてウンザリだった。
――そうだ、アキバ?
なんとなく、ひねくれた気持ちが、自分と接点のないような秋葉原に向かわせた。
電気街をしばらくウロついたミキは、やはり何も興味が持てず、駅前に戻り、ガード下の喫茶店に入って一息ついた。
「はぁ~っ!」
その店は、萌えとIT機器ばっかりに飽き飽きしてきたミキには新鮮だった。
――ここはクラシカルな雰囲気で落ち着くなぁ
夜が近づいていて、少しあせってきていたが、店の雰囲気で、ミキはゆったりとした気持ちになっていた。


