「レイヤ?」

ミキは今レイヤのことを考えてたので、その声に、思わず顔をほころばせそうになる。

「車、大丈夫だった?」

音からすると、バイクを止めてるらしい。

「うん、東名に向かってるよ、レンタカーで……」

ミキは気持ちを抑えて普段どおりしゃべろうと努力する。

「……車で追っかけてもらってる……」

――???

向うでレイヤが誰かとしゃべってる。

(パチッ)

ミキの気持ちの中で、突然ドキドキからイライラにスイッチが切り替わった音がした。

「誰かいンのか?」