「でも、どうして《まりたん》の行き先がわかるンです?」

「どっかの黄金風呂とか盗まれる時代だからな、レイヤがGPSを仕込んどいたらしい。
 アイツもヒマだからな……」

ミキは一旦ナツのほうを向いたが、またシートに深く寄りかかった。

「ど、どうしちゃったンですか、ミキさん……」

レイヤはヒマどころか、ネカフェの店長で徹夜も多い。

ミキも同じバイトをしてるし、ナツもそれを知ってるので、怪訝そうにミキを見る。

「レイヤが構ってくれないンだとさ」

ヨースケはルームミラーごしにナツを見て言った。