「その、ミキがいなくなった時のことを思い出してさ……」

――いつのことだろう

オレが自分でヨースケの前からいなくなったのは1回だけだ。

女だって伝えて、なんかぎくしゃくしたんで、たまんなくなって、バイトさぼって、マンキツやファミレスを転々とした。

でもレイヤはこの間のインサイダー事件の時も、オレがいなくなったって思ってるらしかった。

「オレがいないと深夜シフトまわんないからな……」

ホントは人が増えてそうじゃないことは知ってるが、ワザとカマかけてみる。

「ちがうんだ……!!!」