「まぁいいさ。 お袋もたまには休んで兄さんのとこでも行ってみたら」 ミキは電車に乗ってから、もう1度母を見ると、そう静かに言った。 母はミキを真剣に見たが、ミキがもうそれ以上何も言わないので諦めたように言った。 「ミクもたまにはゆっくり帰ってきなさい」 「気が向いたらな……」 「俺たちからも言いますよ!」 ヨースケが言ったところで、ドアが閉った。 ヨースケとナツは見送る母親に頭を下げた。