「けっ、昔マズイのさんざん食わされたせいで、ソバってだけでウンザリだぜ……」 そうつぶやいたがそのまま食べつつけた。 そして、最後の1口だけは、ミキなりの意地なのか、残している。 ヨースケが戸口に気配を感じてちらっと見ると、様子を見てたらしい父が戻っていくところだった ――確かにナツのいうように、この親子は似てるのかも…… ミキの素直じゃない態度も、父は怒りながらも理解はしてるのかも知れない、とヨースケは思った。