「あれは家を出る為の口実だったからな」 ミキはちょっと視線を逸らせて答えた。 「連絡ぐらいしてもいいのに。 お父さんと結構探したのよ」 「お袋には悪いと思ってた……」 「携帯の請求は来てたから、大丈夫だとは思ってたけど…… 今度は電話に出てね」 「お袋ってわかればでることにするよ」 「それよりちゃんと食べてるの? まるで男の子みたいよ」 母はミキの頬を撫でて、少し笑った。 「これでも前より少し食べるようになりましたョ」 ナツが言う。