「そんなことって初めてだったし、オレは今まで何を見てたのか、って思った」 ナツがミキのほうをみて嬉しそうにうなづいた。 「今日、それを思い出したよ。 どこにいたって、目の前のものをみてなけりゃ、わかるものもわかんないし、同じとこにずっといても変わることはできたハズなんだなって」 「ミキさん……」 ミキはいつの間にか涙を流してる。 ナツはそんなミキの肩を抱いて、思わず貰い泣きしていた。 ナツがちらっとヨースケを見ると、目を潤ませているようだった。