「ナツ……」 ミキはちょっと照れたようにそのままナツに手を引かれて歩いてく。 「わーったよ、行くから、そんなに引っ張んないでくれ」 ミキはいつのまにか、いつもの調子に戻ってた。 「わぁっ、ロダンさんの彫刻がぃっぱぃ……」 「んー」 ミキがナツにうなづく。 美術館は明るかったが、ブロンズ像たちが、重たい表情を浮かべてる。