「そうかな……」
ミキは自信なさげにうつむいた。
――こんなミキさん見たことない。
レイヤさんに会うまではずっとこんなカオしてたのかな?
ナツの胸に、ここに来てしまったことが失敗だったのではという不安がよぎった。
「ミキさん、ぁの美術館、コーコーの時行きました?」
「ああ。結構行ったかもな」
「ァタシたちも連れてって下さぃ!」
ミキは訳がわからず、顔を上げて無表情にナツを見た。
「ァタシたちも、少しでもミキさんが感じてたことを感じたぃんです!」
ナツはミキの返事も聞かず手を取って歩き出した。
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