人をコロスヒト -3-

「身分を証明する物はないです」


少年は目も合わせず、

だるそうに言った。


「名前は?」


「田中一郎」


「………嘘でしょ?」


そんな証書の書き方の手本に載っているような名前、

偽名でないわけがない。


「全国の田中一郎さんに謝れ」


勝手な決めつけをしたことで、

少年に半目で睨まれる。