I -私-

「あっあや、こ、ちゃん?」


そういうと、その人、いや彩子ちゃんはゆっくりと微笑むと何やら闇夜にも係わらず銀色に光っている・・・包丁を私に突きつけたのだ。


「キャアァァアアアアァアアァァアア!!!!!」


静かな空間だった所に、私の悲鳴が響き渡る。


私の何とも言えない悲鳴を聞くと彩子ちゃんは、ニッコリ笑い、ゆっくりと去っていった。


「君!どうしたんだ?大丈夫か??」


「彩子ちゃん。彩子ちゃん包丁持って!!包丁。向こう、向こうに行った。」


沙羅は、あまりの恐怖に混乱し文体が滅茶苦茶の言葉を発する。


「向こうだな。」


と言い、1人が沙羅が言った方向へと走る。


彩子が行った道は長い1本道で、どこにも逃げれる場所はない。


どんなに早く走ってもまだ、姿を見失う訳がない。