溺愛コンプレックス






『ツバキちゃん、ちょこたべる?』

小さくて可愛いカナメ。
チョコレートを一口大にして、私の口元に差し出した。

甘くて幸せの味が、口いっぱいに広がる。

『おいしい?』

うん、おいしいよ。

『えへへ、ツバキちゃんがわらったぁ』

カナメはにっこり。
私はもっともっとうれしくなる。

カナメが私の手を握った。
温かい人肌…。

この胸から込み上げる、くすぐったくてあったかい気持ちは何だろう…。

『ツバキちゃんだいすき』

カナメが私の頬に、自分の頬をくっつけた。

うん、私も大好きなんだ。

ずっとずっと、大好きなの…。