溺愛コンプレックス

「カナメ君、ツバキが好きなんでしょ」

カナメは黙っている。

「やっぱり…。実の姉への禁断の恋に悩んで、家出…てとこね?」

アキナがため息をついたと同時に、カナメが口を開いた。

「つながってないんだ…」

「え…?」

「血、つながってないんだよ。俺とツバキは」


チガツナガッテナイ―――?


心臓が一回、大きくはねた。