溺愛コンプレックス



歩きながらも涙が止まらない。
私を元気づけようと、レン先輩が公園に連れていってくれた。


ベンチに座っていると、アイスクリームを買ってくれた。
舌がひんやり甘い。


「…私こんなだから、カナメのいつもお荷物で。いいかげん卒業しようと決心したとこだったんです」


「ああ…」


「なのに姉じゃないなんて…、あんなに嫌われてたなんて…」


アイスクリームにぽたぽた涙が落ちた。


「別に嫌われてないと思うけどな」


「え…?」


「それ以上は言わないが、嫌いで言ってるわけじゃないぞ。君の弟は。じゃなければ君の面倒見るわけがない」


そう…なのかな。でも、愛想が尽きたんじゃ…。