ピピッピピッ‥‥ 携帯のアラームの音で目を覚まし、時間を確認すると4時だった。 寝て疲れの取れた体を起こし、私は準備を始めた。 下で音がしていたから、母もきっと準備をしているのだろう。 アイシャドーを引き、マスカラも塗って、頬っぺたにチークをのせ、薄いピンクの口紅をする。 鏡の前で笑顔をつくり 「よしっ。完璧」 夜の私[ヒナ]になる 5月から、母が勤めるキャバを手伝い始め、もう半年が経とうとしている。 化粧もつくり笑いも、もうおてのもの。 下におり、母の支度をまつ。