「少しだけ、話してもいいか?聞きたくなかったら、流してくれればいい‥。なんだか話したい気分なんだ‥。」 と、さっきより落ち着いた顔の彼が言ってきた。 「ええ‥。」 と小さく返事をすると彼が話し始めた。 ――――――― ――――‥‥ 「‥‥‥だから俺は、毎年ここに来ている。少し重かったかな?ごめん。でも話しができてすっきりしたよ。」 と、話し終えた彼を見ることができなかった。 彼の辛い過去を聞き、目から出てきた涙を見せたくなくて、ずっと俯いていたから。