last days

俺は、バス停の手前で聖美にメールを
打っているときに前から来たバイクが
縁石を乗り越えて突っ込んできたのだ。
相手は、どうせ飲酒運転でもしていたのだろう
俺も、不運だよなそんなのに引っかかるなんて。

「そうか、俺ホントに死んだんだ」
自分でも信じられないほど落ち着いて事態を
飲み込めたと思う。

ズキッ。ズキッ。ズキッ。
痛みの間隔が狭くなってきている。
事故の光景、病院でのやり取り、
俺の名前を、泣き叫ぶ聖美、両親、友人
そのすべてが鮮明に蘇ってきた。

ズキっ。ズキっ。ズキっ。ズキっ。
あまり、痛みは感じない
それなのに不思議と涙が頬をつたった。
隣を見ると、聖美も静かに泣いていた。