last days

「死んじゃったんだよね」
「ん?何が?」
質問の意味が分からずに問いかける
「浩介だよ」
「俺が死んだの?」
「うん」。。。聖美は遠くを見つめながら
そう一言いった。
 
ズキッ。
頭に痛みが走った。

「死んだ?俺が?」
自分に問いかける。

ズキッ。
また、痛みが走る

そういえば、帰宅の記憶が曖昧だ。
会社をでて、電車に乗り、駅からバス停まで歩いていて。
そこからの記憶がない。
バスに乗った記憶も、玄関の扉を開けた記憶も、
部屋の電気をつけた記憶も、何もない

「帰り道に、バス停の前でバイクに突っ込まれて
頭つよく打って動かなくなって、救急しゃで
運ばれて、病院で死んじゃったんだよ」
ひとつ、ひとつの出来事を説明するたびに
彼女の言葉は強くそして切ない音色にと変わっていった。

ズキッ。

ズキッ。

痛みの間隔が短くなる。
そして、記憶がもどってくる