「威風堂々」で、先輩方の入場行進。

国家斉唱して、1人ずつ証書授与。


あたしの大好きな部活の先輩方が
1人ずつ、証書を受け取って、
卒業を実感する。

自分が、3年過ごした中学を
あの紙1枚で巣立って行くんだ。


あれだけ、引退式で泣いたのに。

また涙が零れてきそうで。

空を仰いだ。
2階にある小さな窓が見えた。

雲がまばらに散った空だった。


「山川優也。」

「はい。」


あっ。
山川くんだ。


山川くんのクラスで一番最後の
証書授与だった。