「お―!久しぶり!」

健があたしに気付いて手を振る。

「わ―、健全然変わってへんな」

そう言ってあたしは健の頭を撫でた。

「む、相変わらずちっさいて言いたいんか?!」

「ほんまのことやんけ」

健の後ろから駿が顔を出す。

「駿めっちゃ久々や~」

「おん、久々やな♪」

それからあたしらはお酒も進み、色んな話で盛り上がった。
どんだけブランクがあってもすぐ昔みたいに戻れるんが幼なじみのすごいところやと思う。

「こうなったら直也も呼ぼか」

健がケータイを手に取った。
直也と呼ばれたそいつは山本直也といい、駿と健同様、あたしの幼なじみ。
この四人で小・中・高と
いっつも一緒に過ごしててん。

深夜学校に忍び込んで警備員に追い回されたり、失恋した健を励まそう!
言うて海に行ったものの、直也と健がケンカして止めに入ったあたしと駿まで巻き込まれて…
最終的にみんなで水かけ合ってずぶ濡れになったこともあった。
毎日アホみたいなことばっかりして、笑って…
そんな思い出はあたしの宝物で。
もちろんそれを共有してる三人も大切な友達にかわりない。
ただ二人と直也で違うのは、二年前…あたしと直也は付き合っていたということ。