「あの時…言えなかった」 『どうして?』 「それは…」 何? 「なんでだろ」 『え?』 あたしは彼の言葉にぼー然とした。 『そう…』 あたしはそう言って、ミルクティーを飲み、立ち上がった。 『あたし、そろそろ帰ろっかな』 「じゃあ、送ろうか」 『いや、大丈夫』 あたしは、玄関のドアを開けようとした瞬間、動きが止まった。