『どうしたの?紗衣』


「葵にぃのマンションに行こう」


『え?何言ってるの…』


「くよくよしてたって何も進まない、行こう」


そう言って、紗衣は自分の手をあたしの前にさしだした。


あたし…彼のことを知りたい。

あたしは小さくうなずいて紗衣の手を握った。