『ごめん。あたし行く』


あたしは彼のつかんでいた手を離そうとした。
「だから、離れんな」

『どうしてよ!』


彼は切なそうにあたしの顔を見た。

『何でそんな…』


もぉ…嫌だ。

『そんな顔しないでよ…知らない人に優しくなんか……』