「俺…前までは梨枝のこと忘れられなかった。 でも… あの日出逢った時、すごく目が悲しそうでほっとけなくて… でも、それは梨枝とは違う… 特別な気持ちがあった。 あの時、本当のこと言えなくて… 梨枝のことまだ想ってるって言ったけど……」 そして、あたしと彼は離れた。 「好きだ… 俺、桃が好きだよ」 彼は笑顔であたしに言った。 初めて… 名前を呼んでくれた。 あたしは涙がたくさんあふれた。