『……あげない。もう、好きじゃない』 「ほんとに、そう思ってるの?」 『うん…忘れたいことだから』 「ねぇ。桃…ほんとに思ってるの?」 『うん…』 「ほんとに?」 『紗衣は何でそんなに聞くの?もう、好きじゃないんだよ』 「紗衣はそう思わないよ?」 『どうして?』 「だって…」 紗衣はそう言って、あたしの頬に触れた。