「・・・何故こんな事になった!?」

 カーテンを閉め切った暗い部屋に、声が響き渡る。
 この部屋の主には、太陽の陽気さも、外で遊ぶ近所の子供の明るい声でさえ、今は忌々しく感じた。そう、部屋の主の心はまるで、この部屋のように暗く、陰気で沈んでいたのだ。

 昨日までは、陽気であったのが嘘のようである。

(このままじゃ、僕はあいつ等に殺される!任務の失敗は命が代償・・・こうしている間にも、あいつ等に気付かれてしまうかもしれないのに。)

 主は、爪を噛み、さらに考え込む。しかし、外の子供の声が邪魔をして、考えがまとまらない。

(何故こんな事になった!?)

 もう一度、同じ質問を自分にしてみる。しかし、答えは分かりきっていた。

(あの、刀を持った奴のせいだ・・・。アイツさえいなければ、こんな事には・・・どうにか仕返しをしないと・・・)