「ちょ、ちょっと待って下さい!俺は、大樹さんに、『安全で経済的』って言われただけで、一度も戦うなんて言われてませんよ?」

葵は、さらに困ったように溜息をついた。

「まったく、大樹も大樹ね。こんな肝心な事、言ってないなんて・・・。そうだ、今から私は任務なんだけど、一緒に来ない?」
「えっ?いや、別に・・・」

 晶が断ろうとしたその時、ミキが話題に入ってきた。

「そ、そうですね。私も、そうして教えた方が良いと思って黙ってたんです!」

(この野郎、絶対嘘だ)

「い、いや~。別に今じゃなくても・・・」

 すると、さっきまで無口だったキサが口を開いた。

「・・・俺もそれ、良いと思う・・・」
「よし、それじゃあ決まりね!ミキもついてくるわね?」
「わ、私は、夕食の準備が・・・」
「何行ってるの。今日は大樹の番じゃない。」

 その時、晶は分かった。ミキは着いて行きたくないのだ。理由としては、主に二つ考えられる。

①自分の番でもないのに仕事をするのは嫌である。
②何か、行きたくなさせる事がある。

 そして、恐らく晶の予想では両方だ。

(こうなったら、道連れにしてやる)

「そうですね。折角だから、ミキの式の能力も知りたいし、一緒に行こうよ」
「うう~。わかりました。行きます・・・」

 ミキは、ついに観念したらしい。

「よし、それじゃあ、元気出して仕事、仕事♪」

 晶を含む四人は、秋風の吹く中、仕事に向かっていった・・・