「無論」

そう言い、大魔王さんは私の腕を自分の方へ引っ張った。
私はぽすっと大魔王さんの胸に収まる。

「いたいた。ちょっと魔王さん苺ちゃん貸してくれないかい?」

「…俺は今機嫌が悪い。イヤだといったら?」

「無理やりにでも」

そして、大魔王さんは極上の笑顔を浮かべた。
それはもう清々しすぎて怖いくらいの笑顔を。
そのまま大魔王さんは拳を前に突き出し…。

親指を下に、向けて。

「ぶっ潰す」

そう言い放った。
レイスはそれに此方も怖いくらい清々しい笑顔を浮かべ、中指を立てた。

そして。

それを皮切りに凄まじい勝負が、始まったのでした…。